昔、猫を飼っていたというより、餌をやったら住み着かれたといったほうがいいか。
自分が住み着いて、更にはノラをしていた息子猫も住み着くようにNさんは仕向けた。
Nさんは言葉が解る。でも猫なのでニャアとしか言わないが。
猫のNさんの話
朝、七時に起こしてと頼んでおくと、顔をベロリンとなめて起こしてくれるし、夜トイレに付いてきてと頼むと(田舎だったからトイレは外にあった)ついてきてくれるし
一度だけだがテレパシー(?????)も受信した。
お風呂に入っていると「今お風呂に入っているのは私ちゃんだから大丈夫」という声が頭の中に直接聞こえて来て、お風呂から出て、服を着ていると、Nさんが息子を連れて、ガラッと戸を開けたので、あれはNさんの声(?)だったのだとわかった。
高校に進学して、ひどい虐めにあった。
それで部屋で泣いていると、Nさんが背中をポンポン、ポンポンと叩く。「Nさん」というと涙をなめてなぐさめてくれた。
いじめの首謀者は、しばらくすると骨折した。
もしやNさんがと思ったりもした。
でも、いじめの首謀者は、いじめというドロドロした他人を傷付けるマイナス想念を発していたので、自分の体がけがすることになってしまったのだろう。
高校在学中にNさんは死んでしまった。
夢枕にも立ってくれない、寂しいなあと思っていた。
大学は地方の大学に進学した。
寝ていると何かが布団の上に乗っかっている。
金縛り??重い
やっと目を覚ますとNさんの姿が見えた。
一瞬でNさんの姿は消えた。
それでも会いに来てくれたのが嬉しかった。