これは私が小学生くらいの話です。
当時、雌の野良猫に餌をやっていたら、もと飼い猫だったらしく、
飼い主が欲しかったらしく無理矢理住み着かれ、飼い猫となりました。
それが猫からのテレパシー(?)をキャッチしたり、
頼んでおくと時間になると起こしてくれた猫のNさんです。
とても賢く顔も可愛い猫でした。
そのNさんが私の部屋に出入りしはじめた頃、うちのアホ父がモップをもって部屋にガラッと戸を開けて入ってきました。
Nさん父に虐待される
私は怖くてNさんを抱きしめました。
父は弱いものに暴力を振るうのが大好きでした。
Nさんはブルブル震えています。
父はNさんに手を伸ばしました。
Nさんは逃げ、父はモップの柄でガンガンNさんをたたき殺そうとしました。
タンスの方に逃げたので、タンスもガンガン叩くので、私のタンスは壊れました。
私は子供の頃から、何かあるとビンタをつられていたので、怖くて声も上げられず、固まってしまいました。
父は私のヒヨコも蹴り殺し、大きくなったペットの鶏もラーメン屋に連れていき殺させた動物虐待をする卑劣な人間でした。
Nさんは戸をこじ開けると逃げていきました。
父は執拗に戸も叩き続けました。
何か言い残すと去っていきました。
今考えると、子供のころから虐待されていて、これが普通だと思うように
恐怖で心が死んでいたのだと思います。
あほ父 猫に祟られる
そのあと、父は頭のてっぺんをぶつけてけがをし、医者で何針か縫ったようです。
でも家族は父を誰もかわいそうだと思いませんでした。
父のけがは、家族全員が猫をいじめたからバチが当たった
猫の祟りだと笑っいました。
ハゲおやじ(父は河童ハゲ)がケガして毛を剃られた、河童ハゲのハゲが広がったと笑ってました。
猫にあんなことをして、バチが当たるのは当然だと家族は言いました。
それから父は改心したようです。
猫に気に入られ、祟りを免れるべく、晩酌のおつまみを猫にあげるようになりました。
父の両側に親子で座って(Nさんの息子も飼い猫になりました)おつまみをもらう姿は微笑ましいものでした。
でも、最後まで猫たちは父に対する警戒はときませんでした。
父が席を立つとさっと逃げてました。
そのうちにNさんは亡くなり
息子のPもいなくなり、恐らくは姿を隠して亡くなったのでしょう。
その頃は私はもう実家にいなかったので、Pが母にニャーニャーと大声で訴えていたらしいんですが、
母はご飯の仕度をしていて「うるさーい」と言ったら立ち去ったそうです。
恐らくはお迎えが来て不安になったので、母に訴えたのにうるさいと言われて
一人身を隠して亡くなったのでしょう。
父は晩酌の相手がいなくなって寂しくなったようで
子猫をもらってきて、息子のようにかわいがっていました。
あの虐待父が、あんなに猫を可愛がるようになるとは不思議なものです。
猫の祟りが効いたのでしょう。