その民宿は天河弁財天さんの裏にあった。
今も建物はあるんだけど、民宿のご主人様が亡くなられて今は開いていない。
そこの民宿、おととし初めて泊めていただいた。
鬼の宿の当日に、当然もう泊まるところはいっぱいで、空いてなくて、だめだろうと思って電話したら「仏間でよければ」と泊めてくださった。
当日に電話していたくらいなので、天川につくのが遅くて、夜の鬼の宿の御神事にも間に合わなくて、私は今年はじめて鬼の宿の御神事に参加したのだけど
民宿のおっちゃんは地元では「たーにい」と呼ばれて慕われていた。
そこの民宿のおっちゃんは、ミュージシャンの宮下富実夫さんが高野山にいたときに、天川に宮下さんを連れて行った方で、今は宮下富実夫さんは亡くなられて、昔ほどでではないけど、当時はニューエイジミュージシャンとして有名な方でした。
https://www.youtube.com/watch?v=RnkhXtIYEhU
FUMIO 弁財天御真言
https://www.youtube.com/watch?v=GtRvASvcrA8
宮下富実夫 FUMIO MIYASHITA 五十鈴 「神」
おっちゃんは高野山では御詠歌の先生として知られているらしく、
おっちゃんの御詠歌隊に入りたい人は、にわか弟子となって、練習して天河弁財天で舞台を踏むのだそうな
お琴の奉納演奏やベリーダンスの奉納したいなら、その時についでにおまけとして奉納させてくれるとおっしゃっていたけど、去年亡くなられていて、今年、また宿泊の予約をしようとしたら電話がつながらなくなっていたので、他の民宿にお電話したときに聞いたら、亡くなられたという。
あの民宿のお客が他の客のお出迎えやら配膳までしてしまうという、カオスさがとても好きで、また泊りたかったのだけど、クローズしてしまって寂しいです。
おととし、当日電話して仏間に泊めていただいて、次の日団体さんが宿泊するのに手伝いが欲しいとかで、ただで泊めてあげるから手伝っていかんかと言われて、それでもう一泊しました。
東京からも若い手伝いの人が来たのでその人とともににわか手伝いでした。
関東の某ストリップ劇場の兄ちゃん達が団体さまでご宿泊で、なんでも兄ちゃん達は徹夜でワイワイ楽しくやっているものだから、他の民宿では断られてしまって、それでおっちゃんが引き受けているのだそうです。
確かに日本ではアメノウズメはストリップの元祖だともいわれているので、それでストリップ劇場の人達が、節分明けに天河弁財天にお参り来るのだそうです。
おっちゃんは「後は頼んだでー」とさっさと寝てました。
確かに、兄ちゃん達は一晩中ワイワイやってたものだから、他の宿泊客とかはみんな眠れなくて、「眠れた?」と聞いたら「ぜんぜん」と言ってました。
前は弁天さんの裏の池に飛び込んでいたそうなので、誰も今年は飛び込まんかったので良かったのだそうな。
そんなこんなでカオスな民宿でしたので、私は「裏天河」と呼んで楽しんでいたのでした。
たーにいことおっちゃんが亡くなって、今は民宿は閉じているので、客に布団のセルフサービスさせて食べ物を持参させて素泊まりでもいいから再開してもらいたいです。
その民宿の名物料理はおっちゃんが作ってみえたこんにゃくだったのですが、泊まったときは鍋にそのこんにゃくが入って無くて、こんにゃく入れ忘れだったのでとうとうおっちゃんのこんにゃくも食べることができなかったのですが
今年、泊めていただいた民宿で、おっちゃんの娘婿さんがこんにゃく作りをおっちゃんから伝授されていて、そのこんにゃくをいただきました。
こんにゃくを食べながら、おっちゃんとあの民宿を懐かしみました。