竈神さまの新しい依代
大学入学の時にオーブンを買って、それ以来ずっとそのオーブンを愛用してきた。
最近、あまりにも電子レンジ対応食品が多くなってきたのがストレスで、やっとオーブンレンジに買い替えようと決心した。
それでオーブンレンジを購入して、古いオーブンは引き取ってもらうことになって、今までお世話になったオーブンの掃除をした。
掃除をしたら、大学時代から、独身時代も、結婚してからもずっと一緒にいてお世話になったなと気がついて、ふっと寂しくなった。
自分の人生の半分近くをともに過ごしてきたのだと思った。
掃除し終わると、心なしかオーブンも嬉しそうだった。
それで、気がついた。
このオーブンは私の竈神さまだったんだと。
引っ越しのとき、足が一本折れてしまって、それでも普通に働いていた。
ガシガシ掃除をすると、足がないから不安定で、なんとなくあまり掃除していなかったので、正面のガラスも曇ってしまっていた。
掃除をしたら中がよく見えるようになった。
あー、最近あまり料理したくなかったのは、もしかしたら、竈神さまが拗ねてしまっていたからかもしれない。
もう内部も錆びて、腐食で限界に来ているけど、それでも健気に働いてくれていた。
それを使うだけ使って、不安定で掃除しにくいからと、掃除していなかったので、竈神さまは拗ねていたのだろう。というか、掃除すると部品にもう穴が空いたのだが。。。。
竈神さまは限界だったかもしれない。
でも別れは寂しい。
それでも明日からは、竈神さまにおかれましては、新しい依代にお移りいただくべく
・・・??? 電子レンジがついているオーブンレンジでも竈神さまはお移り下さるのだろうか?
まあ、どうしても使いづらかったら、小さなトースターでも買って、そちらを依代としていただこうとおもう。